2009年4月よりシステム開発の売上げは「工事進行基準」に変わる。(基本)

☆概要
会計における国際基準と日本基準との差異を埋めべく、
工事完成基準が工事進行基準に変更になった。

契約のガイドラインなどが、経済産業省から出ているので、今後の受託契約(請負契約)の参考にしてほしい。
 
(1)工事進行基準
・工事の進捗状況(つまりシステム導入プロジェクトの進捗)にあわせて売り上げを計上することを指す。

・企業の実態を表しやすいというメリットがあるが、売り上げに恣意性が入りやすいというデメリットがある。
 
(2)工事完成基準
・情報システムが完成し、引き渡しが完了した(つまり検収が終わった)時点で売り上げに計上する事を指す。

・客観的・確実な売上計上方法というメリットはあるが、企業の実態と乖離するというデメリットがある。
 
(3)工事進行基準における必要項目及び実務
・「工事収益総額」「工事原価総額」「工事進捗度」の3つがあって初めて適用可能。
 (この3つがない状況では工事完成基準が適用される)

・工事収益総額とは、工事契約の対価であり、金額が決定していることと工事を完成させる能力があるということが必要になる。

・工事原価総額とは、工事に必要な原価の見積総額を指す。
 実際の原価と対比することができ、適時適切に見直しが行われている必要がある。

・工事進捗度とは、工事の進捗度合いを示すものだ。
 原価に比例して工事が進捗していると考える方法である「原価比例法」を採用することが多い。
 
(4)進行基準における売上げ計上方法は下記の原価比例法で売上げ計上の計算が可能。
・原価比例法による工事売り上げ=契約金額×実勢発生原価÷原価総額-前期までに計上した売り上げ

(5)開発会社で解決すべき課題
・ソフトウェア開発の「見える」化の課題。
 要件定義の段階で成果物を“見える”ようにする必要がある。
 加えて、要件定義契約と開発契約を分離することが重要。
 
・プロジェクト管理における品質管理という課題。
 計画時に、プロジェクトのすべての構成要素を階層化・詳細化した作業表
 「WBS」(Work Breakdown Structure)を作成するという対応をすべきである。
 
 又は、予算や予定という観点からプロジェクトがどのように実行されつつあるかを
 定量的に評価する「EVM」(Earned Value Management)などを利用することで
 プロジェクト管理を徹底させるという対応が求められることになる。
 
・費用範囲が不明確であるという課題。
 契約に含まれる費用範囲を明示させるという対応が必要になる。
 
・赤字プロジェクトのに対する課題。
 原価見積もり・利益率の承認体制の厳格化、
 あるいは赤字が想定される場合の対応方法の確立。
 
・金額や納期が事後に確定されるという課題。
 「自社での契約書のひな形を作成、締結に必要な条件を明確化」。
 
・契約形態についての課題。
 ハードやソフト、保守はそれぞれ売上計上の時期が異なるために問題となる。
 この問題については、制作活動とそれ以外を区分することが重要だ。
 また、値引き時の割り振り方法を統一させることが求められる。
 
・正式な契約前にプロジェクトを開始せざるを得ないという課題。
 契約締結前のプロジェクトスタートを厳格化させるとともに、
 社内でのプロジェクト開始の承認体制を確保することが必要となってくる。
 
(6)工事進行基準が、発注側のユーザー企業に与える影響。
メリット
・プロジェクトの進捗が明らかになる。
・完成成果物の食い違いがなくなる。
・納期が順守されやすい。
・外注の進捗管理・品質管理が適切に行われる。
・不測の事態が発生した場合に、組織的に取り組む体制が築かれる。
・適正な原価に基づいて契約金額が決まる。
 
デメリット
・進捗度合いにあわせて支払いを要求される可能性がある。
・「とりあえずスタートする」ということができなくなる。
・金額をプロジェクトスタート前に決める必要がある。


☆何故掲載したか?
・情報システムは、受託(請負)=工事として捉えて、国際会計に沿うべく、
 工事進行基準を採用しようと変わってきた。

 ユーザの悪しき慣行として、ユーザの発注責任回避や予算の調整で
 振り回される事も少しましになるかとちょっと期待。



☆キーワード
・工事完成基準 工事進捗基準
・2009年4月の年度より適用


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